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日本中に吹き荒れた、黄砂まじりの春の暴風。

空の上空で、ごうごうと風が渦巻いて、なにもかも、がたがた鳴っている朝方、

ぼんやりと目覚めていると、ごうごう・・・の中に、ひーひーが混じる。

「?」と思うけど、体が起きてくれない。よっこらしょと這い出して、外を見ると

はなちゃんが小雨の中、うろうろしている。さらに目を凝らすと、物置の縁の下から

白黒のしっぽが、震えてのぞいている。

チン太が、縁の下にむりやり頭をつっこんで、完全にもぐりこんでしまっている。

男どもを、叫び起こして、救出に向かわせる。物置の土台や塞いでいるものを取り払い、

青い顔のチン太が出てきた。すっかり血相を変えている。

そういえば、朝早く、カミナリが二度ほど鳴っていた。

あれで、常軌を失ったチン太くん。かわいそうに、おびえて身を隠す所を探したのだ。

作業場にいればいいものを、なぜか、わざわざ雨の中、外に出てしまって・・・。

歳をとると、この、おびえもさらに強くなるのだろうか。白黒のまだらぼけじいさん・・・。



いろいろ片付けて、スペースを作り、ガラスのものを窓辺に飾った。

この中のいくつかは、「ベルデ」で購入したお気に入り。もうじき、ベルデさんは、買い付けに

行くらしい。イギリスのガラスやレース、見つけてきてくれるはず。