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ニュースでは、たくさんの訃報が流れるけれど、
作家の井上ひさしの逝去は、予想外のできごとでした。

読んだきっかけは「吉里吉里人」の分厚さへの挑戦だったかもしれないが、
顔も(!)文章も、生い立ちも面白く、大好きで、
まだ死んでしまってはいけない人なのだ。
たくさん名作はあるけれど、
「イーハトーボの劇列車」は、憶えるほど読んだ。
井上ひさしの中に、同じ岩手県人の賢治さんがまるで溶け込んだように、生きた台詞を語らせる。

憲法9条のことなども、新聞に井上氏が書いていると、
胸に届く語り口なので、ちゃんと読もうと背筋が伸びた。
顔写真を見かけると、「お!」とうれしくなった。

肺がんであったということで、苦痛も偲ばれるけれど、
今は空の上から、北へ伸びる桜前線を追って、
楽しげに風に乗って飛翔しているかもしれない。